

救命救急センターで中核的な役割を担っている救命救急科は、他施設で対応できない重症患者を扱う最後の砦としての使命感のもと、“全患者救命”をモットーに全力投球で治療にあたっております。対象疾患は、急性循環不全、複合外傷、消化器疾患、代謝異常、重症感染症、急性呼吸不全、急性腹症、急性中毒などの重症症例で、専門各科の協力のもと急性期管理を行っております。救急専門医、集中治療専門医をはじめとした種々の専門医集団が、重症患者管理部門(EICU)で厳重なモニタリング、臓器サポートを行っております。医療水準は、APACHE IIで算出される予測死亡率をはるかに下回る死亡者数から明らかであるように高いレベルが維持できていると自負しております。種々の血液浄化、人工呼吸器管理、低体温療法、呼吸循環管理、代謝栄養管理は、最先端の知識に常にアップデートしております。 救急現場に医療スタッフが赴き、病院外で直ちに治療を開始するドクターカー、ドクターヘリも運用しております。病院前診療は、救急医療の醍醐味であり、医療の原点とも考えられ、教育面でも大きな役割をはたしております。救急現場から集中治療室管理までシームレスな救急医療を実践することにより高い救命率を維持しております。 感染症、外傷、手術をはじめとした多彩な侵襲の制御が、合併症を防ぎ致命的な多臓器不全への進展を食い止めるとされています。急性呼吸窮迫症候群、急性腎障害、播種性血管内凝固症候群をはじめとした臓器不全に対する管理は、基礎研究の成果に加え、人工呼吸器管理法、急性血液浄化法、薬剤の進歩などにより確実に向上しております。しかしながら、さらなる救命率の向上のためには生体の侵襲反応そのものをregulateしdetrimentalな面を極力軽減させphysiologicalな面を促進させる“侵襲反応制御”が必須です。当教室としては、個々の患者の病態に応じた“遺伝子レベルの侵襲反応制御”を目指しております。
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1980.4 | 関西医科大学付属病院研究医員 |
1981.9 | 関西医科大学付属病院救命救急センター助手 |
1989.9 | 関西医科大学付属病院救命救急センター講師 |
1997.6 | 外国留学、英国マンチェスター大学 |
2003.4 | 関西医科大学付属病院救急医学科准教授 |
2004.4 | 関西電力病院総合内科部長(救急担当) |
2005.4 | 愛知医科大学病院救命救急科准教授 |
2010.4 | 藤田保健衛生大学医学部救命救急医学講座准教授 |
2011.5 | 藤田保健衛生大学医学部救命救急医学講座教授 |
2016.10 | 愛知医科大学病院救命救急科教授 |
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2003.4 | 救急科専門医87 |
1996.1 | 救急科指導医212 |
2006.12 | 日本内科学会総合内科専門医12801 |
2007.4 | 日本熱傷学会専門医00-016 |
2009.4 | 集中治療専門医090031 |
2011.1 | 日本呼吸療法学会専門医0076 |
2014.1 | 日本中毒学会認定トキシコロジスト13010 |
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2006.8 | 臨床研修指導医のための教育ワークショップ |
2016.1 | 倫理に関する講習会 愛知医科大学 |
2015.12 | 日本集中治療医学会主催終末期における臨床倫理問題に関する教育講座 |
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1989.1 | 医学博士 |
愛知医大救命救急科は、平成12年に前身の麻酔・救急部から新たに開講された教室です。愛知医大救命救急センターは、愛知県で唯一高度救命救急センターの指定を受けると共にドクターヘリ基地病院として、地域医療ネットワーク機能を担っています。当科では大学附属の教室としての使命を果たすため、他施設では救命できない重症患者救命を可能にする高度医療、臨床の疑問点を分子レベルで探求するハイレベルな研究、きめ細かい教育指導により多数の救急医輩出をモットーに日々の業務を実践しています。
救急区分には、第一次、第二次、第三次救急医療機関の3つがあります。
当院では、第三次救急医療機関として救急医療に携わってきました。増加する救急要請に対応すべく、平成23年4月1日より「救急告示医療機関」として指定を受け、第一次、第二次対応の救急車も受け入れ、救急車台数・患者数の増加に対応しています。