高度救命救急センター
当センターは多発外傷、急性循環不全、呼吸不全、急性脳卒中、重症感染症、熱傷、急性中毒などの最重症患者を主な対象とし、専門各科の協力のもと急性期管理を行っております。救急科専門医、集中治療専門医をはじめとした種々の専門医集団がドクターヘリによる病院前診療、ERでの初療、重症患者管理部門(EICU)での集中治療、回復期病棟でのリハビリテーションと継続性のある一貫した医療を提供することで高い救命率を成し遂げています。また教室の基本方針であるサブスペシャリティの獲得を容易にするとともに質の高いチーム医療を実現するため、緊急外科手術、緊急IVR等の緊急処置は専門各科の協力の下、当科のスタッフも積極的に手技に参加しています。
ER
Emergency roomの略称です。ここでは緊急事態に対応した医療を行います。周囲には高度な医療器材がそろっているため、緊急事態に対応しながらも、原因究明を図り救命医療を行います。
救急車、ドクターカー、ドクターヘリからの重症患者は救命救急科医師により治療が開始されます。外傷患者などではERにある外傷治療室で大動脈クランプ、ガーゼパッキングなどの処置が救命救急科医師により行われます。
また心肺停止時におけるPCPS(Percutaneous Cardio Pulmonary Support)導入、急性呼吸不全のECMO(Extracorporeal membrane oxygenation)などの体外循環も積極的に導入し管理を行っております。
ACS(acute coronary syndrome)などは循環器内科医と協力し、脳卒中なども脳神経外科医と協力し引き続き救命救急科医師により集中治療室で治療を行っております。
令和5年度にはハイブリッドERが導入され、当科のER診療から他科の専門的治療へのスムースな連携により診療成績のさらなる向上を目指しています。
集中治療
当院のEICUは12床(うちコロナ対応病床含め個室10床)です。救急外来からの入院患者で、重症患者の全身管理・治療は全て、このEICU(Emergency ICU)で行われます。当院のEICUの特徴は、救命救急科医師により、その日一日一日の治療方針や処置を決める,いわゆる完全型closed ICUです。外傷や敗血症などの疾患は救命救急科医師により退院まで治療が行われ、またACSや脳卒中などは循環器医や脳神経外科医と連携をとりながら治療を行っております。一般病棟で発生した急変患者さんへの対応も、救命救急科医師がその場に出向き、処置を行います。速やかな対応により救命率や予後を改善しています。
EICU退室後はHCU(High Care Unit)で主治医として退院まで治療を行います。これにより病院前から退院まで一貫した医療を提供できる施設となっています。