高度救命救急センター

Advanced Emergency and Critical Care Center

重症熱傷・循環器救急・
脳神経救急・小児救急

重症熱傷

当院は愛知県で最初の高度救命救急センターであり、高度救命救急センターの対象疾患として広範囲熱傷があります。広範囲の熱傷は全身に様々な影響を与えるため『全身管理をする』能力と『創傷を治す』能力が必要となります。当センターでは全身管理を行いつつ、創部の治療を考えながらトータルマネジメントを行う役割を当科が担っています。創部の治療は形成外科の医師と協働して行い、急性期の手術なども積極的に行っていく方針です。熱傷の手術もできる救急集中治療医を目指します。

熱傷治療は『king of Intensive care』とも言われ、集中治療のすべての要素が含まれるいわば総力戦です。看護師や理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職種の介入が不可欠です。当センターではコ・メディカルとの風通しも良く、関わるスタッフ全員が患者様の救命、さらには社会復帰を目標として同じ方向に向かって全力で治療にあたります。

循環器救急

当院は救急ICU(EICU)にCCUが併設されており、循環器内科と協議の上で指示を出すclosed ICUとして運用しております。急性心不全、急性心筋梗塞、肺塞栓症、急性心筋炎といった心原性ショックを呈している重症患者の入室も多いのが特徴です。そのため、循環器集中治療医としての役割を担うことにもなり、循環器疾患について広く経験することができます。特にIMPELLAやPCPSのような補助循環装置を使用している重症患者管理に力を注いでおり、体外循環式心肺蘇生法(ECPR)についても積極的に取り組んでおります。

また、ICU/CCUの診療の質の向上のためには、集中治療医だけではなく、コメディカルスタッフの協力は不可欠であり、循環器疾患に対して興味を持っていただくことが大切です。そのために、当院のICU/CCUでは定期的なCCU勉強会も開催し、集中治療室のスタッフ全体の循環器疾患に対する能力の向上を目指しております。循環管理の基本を会得することで、多臓器疾患の管理に広く役立てることができると思います。

脳神経救急・
神経集中治療

当院の脳神経救急は、けいれん、意識障害など内科鑑別診断から、痙攣重積、脳梗塞血栓回収などの治療、多発外傷を伴う重症頭部外傷、脊髄損傷などの治療など、様々な病態に対して、初期診断から集中治療、亜急性期の集中リハビリを提供しています。
これには救命救急科だけでなく、脳神経外科、脳神経内科、精神神経科、脊椎外科協力して診療にあたっています。
特に重症急性期の集中治療管理は、救急系EICUがClosed ICUですので、救命救急科が主体となり、各科と連携して診療に当たっています。亜急性期の管理も当科が提供することも可能ですので、回復過程を自身の目で見て、しっかりフォローしていきます。
サブスペシャリティ研修に、各診療科での研修を行うこともできます。

小児救急

当科には小児科専門医も所属しており、小児科と協働しながら重症小児救急患者への対応と救急ICU(EICU)入室後の集中治療を行っています。小児特有の疾患や病態に対応すべく、コメディカルも交えた勉強会も頻繁に開催されています。